「1日一組限定の宿って怖い」と連れは言う。
<ここから妄想モード>
酸いも甘いも噛み分けた客と、
そんな客ばかりを相手にしてきたやはり酸いも甘いも噛み分けた主が、
張り詰めるような緊張感のなか、双方が一定の距離感を保ちつつも濃密に対峙する。
私らのようなちゃらちゃらした者が行けば冷ややかな視線を浴びせられるか、下手したら罵倒される。
おばかなわれわれは、すきやばし次郎で寿司を食うときのようなそんな妄想を描いてしまうのです。
<妄想モードここまで>
その手の宿へは敷居の高いイメージがあっていまだに泊まったことがない。
あ、でも古守宿一作の宿泊レポートを見ると決してそんなことはないのですけどね。
みやまは1日3組の宿(新館)。部屋は5つあるが3室がうまると予約を締め切る。
ならばある程度緊張感が必要かというとこれがまったく逆。
1日3組の宿といえば薪の音を思い出す。ここも肌身に纏うような心地よい宿だった。
そういえば薪の音ももと農家で今は宿屋と農家の兼業。
あちらはとれたて野菜でフレンチ、館内は古民家風と洋風のコラボレーションというお洒落な空間。
こちらは郷土料理ベースの料理で、館内は木の風合い豊かでやはりお洒落だが
そのベースには湯治宿としての背景がある。
その辺のちがいはあるものの、居心地のよさは通じるものがある。
これくらいの規模が私たちの波長に合うのかもしれない。
金山杉の吹き抜けのラウンジを一通り物色した連れは、
「家建てるなら、こんなスペースが欲しい」
と、お気軽にのたまう。
鳴子温泉郷 川渡温泉(かわたびおんせん)山ふところの宿みやま
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