宿泊日 2008年1月
岐阜県 飛騨古川 八ツ三館
お部屋 特別室 光月楼「聚楽の間」
「料理をベストなコンディションで食べたい」というあさましい根性が背中を後押しして、風情ある飛騨古川の町を30分ほどぶらり。こちらは白壁の土蔵群(造り酒屋あたり?)の裏手。見上げる大銀杏。秋にはこの下に黄金色の絨毯ができます。きれいですよー!
宿に到着すると、あっというまに「この世界」に引き込んでくれます。
露天風呂付の特別室「聚楽の間」をウキウキしながら見回り開始。127?の超余裕のラグジュアリースペースはやはり広い。興奮がひとしきり落ち着き、ソファーに腰を下ろすとどこか、旧家の別荘に泊まっている気分になった。
広々としたデッキスペースにはウッドデッキ2脚浴槽は贅沢にも一枚岩のくり貫きで、がっしり。お風呂にはチェックインにあわせてお湯が満たされており、すぐにでも入浴することができました。
リラクゼーションルームの隣にシアタールームができていました。完全脱力できるリクライニング方式のチェアーが嬉しい。
今回の食事処は古い茶室のようで、雰囲気は今までの中で一番かも。毎度のことながら、料理には激満足させてもらっている。
こちらは柚子釜焼でくり貫いた柚子に鰤がありチーズと唐辛子味噌で味つけしてある。
そして飛騨牛ミニステーキ。感涙しそう。今日は板場に少し余裕があるからと、お造りの盛付などをを遊んでみたそうだ。さすが料亭旅館。
寝るのがもったいないと思いつつ、ベッドに横になるとすぐにウトウト。
翌朝は祝福されたように快晴でした。木々たちがちょこんと雪をかぶった姿がかわいらしい。
飛騨古川を歩いているときから「あの世界」の予感はしています。
飛騨高山と並ぶ飛騨の小京都。白壁の土蔵造りに二軒の造り酒屋で試飲したり、今では珍しい和蝋燭を手作りする店などをひやかしながらそぞろ歩き。飛騨古川にはなぜか観光地すれしたいやらしさが無い。ある人に言わせると職人気質が息づいている町の雰囲気なんだとか。
玄関の前に車を横付けすると、あっというまに「あの世界」に引き込んでくれます。
荷物を運んでくださる男衆の”いでたち”はすっかり宿に溶け込んでいて、衣装といってもいいくらい。中でも袴姿の若主人はご婦人方にも人気。車は宿の方が駐車場まで運んでくれるので、われらはそのまま中へ。玄関を入りまず目を楽しませてくれるのが月ごとのテーマに合わせた装飾。凝ってますよー。この時は古い雛飾りがされていました。
今回のお目当てはなんと言っても露天風呂付き客室の聚楽の間へ泊まること。
ウキウキしながら見回り開始。127?の超余裕のラグジュアリースペースはやはり広い。
ひろーいリビングは(15畳くらい+広縁)、ベッドルーム(8畳くらい+広縁)、囲炉裏の間(4畳半)、荷物おきや着替えの部屋(6畳)、お風呂の手前部屋(6畳を脱衣所代わりに!)、そして広縁の向こうには手入れされた小さな庭。その向こう側にはお寺の屋根が頭を覗かせています。
興奮がひとしきり落ち着き、ソファーに腰を下ろすとどこか、旧家の別荘に泊まっている気分になってきた。
部屋の露天風呂は食後の楽しみにして大浴場へ向かう。
古い酒樽をお風呂にしてしまったという酒樽の風呂で、小樽に入った振舞い酒をちびり。
お湯にお濁り酒がすこし混ぜてあり、湯船に浸かっているとホンワカとお酒の香りが立ち上ってきていい気分。風呂上りにシアタールームとリラクゼーションルームでレモン水を飲みながら完全脱力した後はいよいよ食事の時間。
八ツ三館の食事処はすべて個室で、窓から見える庭園には蝋燭を模したかがり火がたかれ、雰囲気が大変よろしい。通された食事処は奥まったところにあり、まるで隠し部屋みたいだ。古い茶室なのだろう。雰囲気は今までの中で一番かも。室の入ると照明は落とされていて、テーブルの上に手作りの和蝋燭の炎がゆらゆらゆれている。
食前酒はあんず酒で夕餉がスタート。ほぼ一品づつ運んできてくれる懐石スタイル。
旧家の別荘で過ごしたような贅沢な一晩だった。
聚楽の間の居間からは見える庭園は広くはないが、木々たちがちょこんと雪をかぶった姿がかわいらしい。
朝食のメインディッシュはやっぱり朴葉みそ焼きですね。大好物です。釜戸焚きした御飯にのせて食べると、食欲が加速してしまいます。以前に若女将のブログを読んでいたら、
八ツ三館では夕食と朝食とではのお米の品種を分けているということが書かれていました。
驚くのは、朝食のときに「夕食の時のお米とは違う品種ですね」と言い当てるお客さんがたまにいるそうなのだ。わかる人にはわかるんですねぇ。
一般の客室のチェックアウト時間は10:00だが、露天風呂付き客室、つまり光月楼の3室はチェックアウトが11:00という特典が付き。客室に提供されてある簡易ドリップ式のコーヒーでゆっくり時を過ごす。
八ツ三館は飛騨古川という古い風情のある町との一体なのです。安っぽいたとえで恐縮ですが東京ディズニーランドで遊んだあと車や電車にのってホテルへ行くと、どうしても現実の世界に引き戻されてしまいますね。八ツ三館の滞在は園内から出ることなくそのままアンバサダーホテルやホテルミラコスタに泊まる嬉しさに似ている。町にも宿にも、現代に染まらない味がたっぷり残っている。若主人と話したときのこんな言葉が印象的だった。「宿って言うのはその土地の見本市なのかもしれません・・・」その言葉を思い出しながら宿の方に見送られて、再び飛騨古川の町味わいにふたたびぶらぶらと・・・。
ここに書ききれなかった話はブログで