新潟 栃尾又温泉 宝巌堂
お部屋  参の弐拾番(3-20) 和室 和風ベッド6畳+居間7畳

 

山道を行き止まりまで進むと、渓流沿いの自然豊かな山間に昔からの湯治場の面影を残す静かな集落が現れた。ここに栃尾又温泉を守る3軒の宿が寄り添う。

 

2004年4月リニューアルの宝巌堂。館内は敷き。肌触りがふわりと軽い。スリッパ不要の床を素足で歩くととっても気持ちいい。所々には時代和家具がいい味出してます。

 

 

お風呂へ向かう階段。100段くらいあるでしょうか。「湯舟は源泉のすぐそばに」との考えから渓流そばの源泉のすぐ近くに温泉小屋が立っている。

 

 

したの湯は現代人のための羊水です。体の重みから開放される2時間、現実と眠りの区別がつかないくらいもうろうとした中でぬるい湯に身を任す。気づくと体にびっしりと気泡が。

 

 

あったかさが宿っている部屋。広すぎないところが我が家っぽくて心地いい。桐の小ダンスからはアメニティ類にふかふかバスタオル。到着からゴロゴロしたいので、いつも小上がりの部屋をお願いしてしまう。漫画読んだりごろ寝したりの超脱力モード。

 

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ニジマスのカルパッチョや山菜、炙っただけなのに抜群に旨い舞茸、宿の周りでとれたばっかりのふきのとうの天ぷら、そして写真には写ってませんが自然薯の蒲焼も旨かった。

 

 

冬のメインは「越後もち豚の豆乳鍋」。越後もち豚はキメの細かくきれいなもち肌。出汁で味つけされた豆乳にくぐらせると、ミルキーな程よいコクが生まれる。もやわらかくてジューシー。

 

桐の肌心地につつまれる館内。椅子も桐です。軽くて、手触りがいいんですよ。ご主人の設計?デザイン?いや考案だったかな?

 

したの湯もうえの湯もみんな瞑想状態で入浴しているので、子供たちにははしゃがないように厳重注意して入らせますが、宝巌堂の館内にある貸切風呂(沸かし湯)は少し手綱を緩めても大丈夫。子供たちの嬉しい顔が見れました。

 

部屋にはアロマ道修行中のスタッフが調合してくれたアロマオイルを部屋に焚いてもらいました。天然アロマはナチェラルな桐の木肌に程よくマッチ、すっかりいい気分で就寝。

 

 

羊水にぷかぷか浮いているみたいでした。

自分の首と頭をのせるのにしっくりくる石のくぼみを見つけ、頭を預けて根をはやす。他のお客さんを見ると目を閉じて瞑想状態に入っている人や湯に浸かったまま本を読んでいる人まで。1?2時間の入浴が普通と言う。異常なまでの静けさ。洗い場もなく、湯の落ちる音だけが湯小屋に静に響いている。お客も心得たもので場所を移動するときも波を立てないように静にあるく。瞑想の邪魔をすいる人はいない。体温よりちょっと高いだけのぬるい湯だが、しばらく動かないでいると体にびっしりと気泡がひっつき、その気泡を体につけておくと結構あったかいことが分かった。

体の重みから開放される2時間。夢とも現実ともつかない“もうろう”としたときを過ごした。日本第二位の濃度とされる栃尾又温泉のラジウム泉。湯船に使った状態で鼻や口から吸い込むと抗酸化作用があるらしい。つまり平たく言うと細胞が老化防止にいいらしい。それと子宝の湯としても広く知られている。宝巌堂の若女将もその子宝の湯の効能を体現した方です。興味があれば宝巌堂のサイトをご覧ください。

私たちは到着からゴロゴロしたい派。スタッフの出入りを最小限にしてくれる小上がり布団敷きっぱなしは大歓迎。桐の木肌、足裏が気持ちいい。部屋に入ると裸電球に照らされるあったかぁーい雰囲気。琉球だたみに小上がり。夏にはちゃぶ台。冬にはコタツ。桐ダンス、昭和レトロだだよう時代和家具。トイレにも手抜きがなく、木の空間にウォッシュレット付だ。部屋には簡易ドリップコーヒーのほかティーバックなども。酒ははないが高級旅館並みに充実していたように記憶している。

ちょうど冬から春の季節の変わりめで、両方の季節の料理を頂くことだできました。ラッキー。冬の料理のメインは越後もち豚の豆乳鍋。はキメの細かくきれいなもち肌、見ためにも育ちがよさそう。これを出汁で味つけされた豆乳にしゃぶしゃぶの要領でくぐらせると、やわらかくてジューシーなもち豚にミルキーな程よいコクが生まれ、ホント旨い(ヨ、ヨダレが口の中にたまってきました。)。このままたべてもいいですし、薬味の柚子胡椒を解いても素敵なアクセントになります。柚子胡椒のお好きな方は、お肉の上にちょっとのせて試してみてください。最後にざる豆腐と油揚げを入れる。野菜と肉が出汁に染み出しているので、そのエキスを吸い込んだ油揚げがタマリマセン。初めて食べたとき狂喜したあの舞茸にもありつけて大満足。朝食のの玉子焼き、漬物そして白いご飯もめっちゃ旨いです。

宝巌堂に泊まる約2週間前には、福島の御宿かわせみにお世話になっていましたが、近い日に料金も方向性も違う両宿に泊まり、宿道楽の楽しさ再認識したのでした。御宿かわせみは、別世界に連れて行ってくれる、私にとっては竜宮城的魅力であり、こんなスゴイ世界があるんだぞー!って、自分を向上させてくれる宿でもあります。一方の宝巌堂は、とことんまで素の自分をさらけ出せる、自然体で過ごさせてくれる宿です。>

日本屈指のラジウム泉に1?2時間ゆらゆらと身を預けた後は、読みかけていた、マンガ「のだめカンタービレ」を部屋で読んだり、朝風呂あびてからチェックアウトまで布団でゴロゴロしたり。ある意味独身時代より自分時間を過ごせちゃうのです。

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