修善寺のオーベルジュ Feliz(フェリス) の宿泊レポです。

前身は恵比寿で14年間営業していた「スペインリストランテ Feliz」で、2006年9月に伊豆修善寺に移転しオーベルジュとして開業したのがこちら。
「地元の四季折々の新鮮な食材をふんだんに使った現代風モダンスパニッシュ」(HPより)が売りの温泉・宿泊施設付きのレストランです。

3時間かけていただくモダンスパニッシュディナー

善寺といってもロケーションは温泉街ではなく、伊豆長岡・大仁の市街や富士山までを俯瞰する山の上に位置する全5室の施設です。基本最大10名まで収容、少人数での貸切も可能です。

外観とエントランス

フロントはなく、入るとプランターが並ぶ吹き抜けの温室スペースが

絶景のウェイティングバー・ラウンジでチェックイン

ウェルカムドリンクとスウィーツ

館内構成は一階にデラックスルーム1、スタンダードルーム2、二階にエクストラ・スタンダードルーム2とウェイティングバー・ラウンジ、レストランとなっています。
今回はデラックスルームへ。こちらのみ源泉給湯の展望バスが設えられています。

デラックスルーム

デラックスルーム

展望源泉バス

洗面所

ベッドルーム

温泉はは小振りの内風呂・露天風呂が併設された浴室が二ヶ所、入口のライトを点灯して入浴中の合図とし、それぞれ貸切になります。
源泉は宿の近くで掘削された「ニュータウン6号泉」。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉57.0度、掛け流し。露天風呂からは中伊豆の市街や山々が俯瞰されます。

露天風呂は22時、内風呂は24時まで入浴可能です。

露天風呂

ペットの山羊さん

吹き抜けの温室スペース

夕食は18:30から19:00の間好きな時間から開始(予約不要)。十数皿ごとに美しく盛られた40品以上の料理が3時間あまりをかけて供されます。
それぞれの料理に合わせた独創的な形の食器は、オーナーシェフが自分のイメージでひとつひとつオーダーメイドするという懲りよう。器と料理のマッチングももぜひ楽しんでください。

内容はもちろん肉料理もあるものの、特にメインらしいディシュやパン・パスタといった食事もなく、最初から最後までバラエティに富んだ酒菜の連続といったメニューです。お酒を飲まない人やコース料理・懐石などが苦手な人は少々時間を持て余すかもしれませんが、サーヴィススタッフ二人の行き届いた配慮と会話がそんな無聊を慰めてくれることと思います。もちろん左党にとっては至福の3時間、料理内容は写真でどうぞ。ちなみに今回の所要時間は3時間15分。

ウェイティングバー・ラウンジからの夕景

レストランからの夜景


メニューとお洒落にたたまれたナプキン

-Aperitivo-
食前酒:サングリアとCava(スペインのスパークリングワイン)
アペリティフ:生ハムのパテとチーズが詰められたオリーブ

-Princhos-
イントロダクション 9種類のピンチョス
三島豚テリーヌと食用ほうずき・鹿肉ロースト
・自然薯とイベリコ豚チョリソーと牛蒡・鮪スモークなど

-スペインのビール-
Estrella Damm  エストレージャ・ダム

-スペインのワイン-
Don Ramon  ドン・ラモン

-Fruta de mar-
駿河湾のタルタル 海の幸・新芽・ハーブ(3種のソースで遊んでいただく皿)

Jamon Serrano-
ハモンセラーノ 生ハムとメロン2018
二種の生ハムとオレンジ色のルピアメロンソース・グリーンは山葵ソース

-Hortarizas-
プロローグ 茄子とからすみ
モノローグ

-Hortarizas-
プロモーション 人参と蟹の植木仕立て
スコップのスプーンがユニーク

-Hortarizas-
菜園のフラワーアレンジメント
(いろいろなハーブ いろいろなソース)
野菜は左から列ごとに生・グリル・ボイルで調理
もちろん花もすべて食用

-Pescado rojo-
金目鯛のソテー・バボール・オルノ
(ソテー・ボイル・ポワレ3通りの調理でいただく金目鯛)
ほうれん草のポタジェ

-Nwgro & Blanco-
静岡の自然の恵み
黒の料理(白皿)菊芋の烏賊墨リゾットソース
白の料理(黒皿)チョウザメのベシャメルソース

-Gaspacho-
フルーツのガスパチョ エスプーマ グラニテ
(トマトの泡、桃のグラニテ、紅ほっぺの泡の層)

-Carne-
イベリコ豚ロースト
マンゴーソースは豚のイラスト
低温調理のプロチェッタス三種
牛タン・天城軍鶏・猪

-Sopa-
駿河湾の恵みバスク風スープ
海老味噌の香りが濃厚

-Potre-
冷たいデザート3種 花びらの画

-Digestivos-
アナーキー(狂喜:クッキー)

ハーブティー

こちらでユニークなのは朝の食事のシステムです。
基本は11:00から11:45までの好きな時間(これも予約不要)にレストランでいただくブランチで、一般の認識の朝食はオプション(1,000円)になります。22時近くまでいただいた夕食で疲労した胃腸にはちょうど良い配慮かもしれません。
このブランチも恵比寿時代から続く伝統の「海の幸パエリャ」をメインとしたコースで、再び満腹に。

朝のレストラン

-朝のサラダ-

-タパス5品-
しらすのレブエルト・鯖のグリエとアリオリポテト・アルボンディガスなど

-本日のスープ-

-1999恵比寿からの海の幸パエリャ-

取り分けられたパエリャ

-ハーブティー(コーヒー・カフェコンレチェーも選択可)とチーズケーキ-

食後に浴場の温泉には入れませんが(朝は7:30から10:00まで)、13:00時チェックアウトまで部屋やウェイティングバー・ラウンジ、ガーデンでゆっくりするも良し、近所を散策するも良し。もちろんデラックスルームならギリギリまで部屋の源泉を楽しめます。
日本の旅館やホテルの常識を逸脱したシステムですが、旅先で食事やチェックアウトなどの細かい時間を気にすることなく、本当にゆっくりとしたい向きには最良の施設のひとつと言えるかもしれません。
ただしスタンダードルームはかなり狭く、せっかくなので2,000円をプラスして眺望が良く広めのエクストラルーム、またはデラックスルームがお勧めです。

 

2 Comments
  1. shunさん素敵な宿泊レポをありがとうございます!修善寺にこんなロケーションがあるとは知りませんでした。
    約40種の美食の数々、素晴らしいです!!シェフの直感が物質化したお皿なのでしょう。どんな味なのかぜひ味わってみたいです。朝食にパエリアってすごい!のんびりと食を楽しむ贅沢な一泊なんでしょうね。岩に上ってるつもりの山羊さんかわいいです笑。

  2. ありがとうございます。
    5年ほど前にテレビ東京「ソロモン流」で放送され、ずっと気になっていましたがやっと念願が叶いました。
    しばらくはなかなか予約の取れない時期がありましたが、ここ数年は落ち着いたようです。料理は本当に素晴らしい、しかしシニアには少々荷が重いかもしれません。これで温泉が終日入れたら言うことなしですが、基本はレストランということで無いものねだりでしょうか。
    山羊さん、話しかけたり口笛を吹いたりしてやっとこちらを向いてくれましたw

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