秋田 乳頭温泉郷 鶴の湯
お部屋
秋田乳頭温泉郷の山懐に、尾瀬と並ぶ水芭蕉の群生地「ツアールの森」奥深くに「鶴の湯」があります。道は整備されていて、「一昔前は登山客か猟師ぐらいし か宿泊していなかった秘境」とは思えないぐらい、楽に車で行くことができました。
江戸時代から本陣をそのまま残し、宿泊ができるように数百年も丁寧にメンテナンスをするのは、どれだけ大変なのでしょう?茅葺き屋根は、生保内下高野 地区からすすきを刈り、6年ごとに葺き替えをしているそうです。
鶴の湯の半径50m以内には、泉質の異なる4種類の源泉があり、「白湯」「黒湯」「中の湯」「滝の湯」と源泉名がついています。まずはメディアでよく 見る「露天風呂鶴の湯」に行かねばと直行しました。
源泉は6本すべてが自然湧出泉で、人間の手を一切加えていない湯が、足下からポコリポコリと湧き出ています。露天風呂はススキに囲まれていて、湧いた 白濁湯が、そのまま池になったような感じで、巨石や巨木がある訳でもなく、昔ながらの自然の雰囲気です。
夕食の時、年配の男性が注文したお酒がなかなか来なくて、食事を始めずに待っていると隣のカップルの女性が「よろしければビールでもいかがですか?」 とグラスを差し出し、自分たちのビールを男性に勧めていました。ほのぼのした空気が流れていて、こんな食事風景もいいなあと思いました。
私は「もっきり」というコップ酒を飲んだのですが、山菜や岩魚はお酒と結構合いますね。名物の神代産「山の芋鍋」は薄味で、味噌の香りが口一杯に広が り、美味しくてお代わりしました。
「黒湯」や「中の湯」は湯船が小さいためか、結構熱くて長湯ができません。「白湯」はややぬるめです。多彩な湯がある為、「あつ湯好き」でも「ぬる湯 好き」でも楽しめます。
ちょっと残念なのは、露天風呂に「滝の湯」という小さな打たせ湯があるのですが、そこの地面が苔で真っ黒になっています。そのために苔を踏んでしまう と、足の裏が真っ黒になり、石鹸でこすったぐらいでは当分落ちません。
朝食の「ごはん」が絶品でした。あまりに美味しいので、御飯をお代わりするときに「米が凄く美味しいですね」と言いましたら、「この米を家に持って 帰って炊いても美味しくないですよ。一度に沢山大釜で炊くから美味しいのだと思います」と津軽弁で説明されていました。
食事は旨い、湯は足下湧出、雰囲気もいい、メディアが日本一に選ぶのも納得です。地代や食材にコストが掛からないのかもしれませんが、この料金でこ れだけの雰囲気・料理・湯が提供できるのは、乳頭温泉の「鶴の湯」だけではないでしょうか。
秋田乳頭温泉郷の山懐に、尾瀬と並ぶ水芭蕉の群生地「ツアールの森」奥深くに「鶴の湯」があります。道は整備されていて、「一昔前は登山客か猟師ぐらい しか宿泊していなかった秘境」とは思えないぐらい、楽に車で行くことができました。少し早く到着しましたので、鶴の湯の前にある茶屋で一息入れてチェック インをしたのですが、聞きしに勝る人の多さでした。中国人観光客や若者、お年寄り、子供たちが温泉から上がり、お茶を飲んだりお土産を買い求めたりで混雑 しています。しかし、日帰り入浴の受付は10時?15時なので、宿泊客がチェックインをする時間には、先ほどまでの賑わいが、まるで嘘のように静かにな り、雑然とした空気は多くの人と一緒に連れ去られ、急に静寂な空気に変わりました。15時以降の鶴の湯こそ、多くのメディアで取り上げられた本当の鶴の湯 の雰囲気なのだと思います。連泊する場合、日中は込み合いますので、宿で「湯めぐり帳」を購入して、近くにある「妙ノ湯」「大釜」「蟹場」「孫六」「黒 湯」など近くの湯めぐりをするのが良いと思います。
二棟あった本陣は豪雪につぶされてしまい、現在は一棟しか残っていませんが、新しく建てられた新本陣や東本陣なども、元々の江戸時代の雰囲気を壊さないよ うに、往時の雰囲気を再現していました。想像していたような鄙びた雰囲気ではなく、どちらかと言えば「新しさ」さえ感じるモダンな雰囲気がありました。 「人の手が入らないと、素朴さは雑にかわります。入りすぎれば郷愁を失います」という主人の姿勢がそのまま伝わってきます。大人気の本陣には宿泊できませ んでしたが、宿泊した2号館でも十分楽しめました。
鶴の湯の半径50m以内には、泉質の異なる4種類の源泉があり、「白湯」、「黒湯」、「中の湯」、「滝の湯」と源泉名がついています。まずはメディアで よく見る「露天風呂鶴の湯」に行かねばと直行しました。 源泉は6本すべてが自然湧出泉で、人間の手を一切加えていない湯が、足下からポコリポコリと湧き出ています。乳白色で硫黄の匂いが漂う湯は、長旅の運転で 疲れた体をじんわりと癒してくれます。露天風呂はススキに囲まれていて、湧いた白濁湯が、そのまま池になったような感じで、巨石や巨木がある訳でもなく、 昔ながらの自然の雰囲気です。夕方の露天風呂はとても静かで、日帰り入浴の芋洗い状態では、こんな五感をいたわる湯にはならないでしょう。ここに来るなら ば、是非宿泊してこの湯を味わって欲しいと思います。ちょっと残念なのは、露天風呂に「滝の湯」という小さな打たせ湯があるのですが、そこの地面が苔で 真っ黒になっています。そのために苔を踏んでしまうと、足の裏が真っ黒になり、石鹸でこすったぐらいでは当分落ちません。滝の湯の床をもう少し清掃して欲 しいです。苔ですべって転ぶおじさんも目撃しました。この床は「自然のまま」だと危ないです。露天風呂の湯は、脱衣所の近くはぬるめですが、奥のほうにあ る石に近づくと結構熱いです。新鮮な湯が石の割れ目や足下の砂地から、ポコポコプクリと絶え間なく湧いています。
食事は旨いし、湯は足下湧出、雰囲気もいいしこれで1泊2食8,550円。メディアが日本一に選ぶのも納得です。地代や食材にコストが掛からないのかもし れませんが、この料金でこれだけの雰囲気・料理・湯が提供できるのは、乳頭温泉の「鶴の湯」だけではないでしょうか。実際に宿泊をしてみて、正に日本を代 表する温泉宿だと思いました。