料理の時間 「準備ができました、どうぞ。」と声がして食事部屋の戸を開けると、この光景。

フルーツトマトにずわい蟹のファルシー ガトー仕立て ソースオレンジ いや~、テンションあがりました。橋本シェフの代名作とも思えるずわい蟹のファルシー。

トロ鰹のづけ 胡瓜の軍艦巻き 軍艦巻きでお分かりのとおり、これお鮨になんです。生魚の苦手なはずがぺロリ。

イチジクとスモークサーモンのクリームチーズ和え イチジクの甘みとスモークサーモンの塩気が口の中で不思議なせめぎ合いを繰り広げ、これがなんとも楽しい。この組み合わせどうやって思いついたんだろう!

お造り 鮪、カンパチ、甘エビ、赤貝、きびなご

クラムチャウダー 貝の旨みがしっかり溶け出し、クリームの豊かな濃くが包み込んでいます。湧き立った僕らをいったん穏やかにしてくれた。

湯引き鱧のクルスティアン 梅肉ソース 和の夏の食材「鱧」がこんなスウィーツみたいになって登場でした。パリッパリの皮を箸で割って、ソースを絡める。このライスペーパーみたいなものが鱧の食感にアクセントをあたえる

新玉葱のアイスクリーム ずわい蟹 キャビア添え これは不思議な驚きに遭遇。おぉ、おぉと唸っているうちに無くなった(笑)

鹿児島県産・黒毛和牛フィレ網焼きステーキ みぞれ酢ソースで 上質なフィレ肉!ぼくは駄々っ子のように体を揺らし始めた。お向かいさんに目をやると箸をおいて瞑想中。やおらムンズとビールグラスを握った。

はなの音の食事部屋 こんなとこで食べてました。他の離れは母屋に個室の食事処が用意されているが、はなの音のみ部屋に専用の食事部屋がる。リビングとはちゃんと仕切りがあり、プライベートが保たれてる。

鮭ちりめんのだし茶漬け、香の物

桃のムースに桃のコンポート・バニラアイス フランボアーズソースで(ピーチメルバ)・・・ スウィーツ大好きなわれわれは、ここで再びピークを迎えるのでした。

 

 

再び丘の上の露天風呂へ

ベッドルーム。 ベッドルームはリビングと竹のつい立でやんわりと仕切られている。料理の余韻にずっと浸っていたらだいぶ夜も更けていた。

おやすみなさい。

 

 

朝風呂 露天風呂→釜風呂→岩盤浴→水風呂という具合のお風呂をハシゴ。驚くことにこれが全部自分の離れにあるのだ。

朝食 朝食は郷土色が豊か

ヒラメの西京焼き ヒラメの西京焼きが旨かった

 

大人の夏休み また来れますように。

 

 

 

大人の夏休み

 

結界の竹林の先

竹林の合間を抜けるとき、上のほうから早速野鳥たちが忙しく鳴き、枝をわたった。
それは侵入者への警戒。
ふたり静に初めて訪れたのは今から8年前の宿オープンしてまもなくのころ。
「鳥遊ぶ森の宿」というキャッチフレーズのわりに当時はまだ木々がさみしい状態だったが、今ではすっかり緑が生い茂り、彼らの棲家となっているらしい。
ここは霧島温泉郷の中心地から外れたところ。こんなところに森などあるもんか、と不安になりながらたどり着いた場所。駐車場から結界のような竹林を男性スタッフが僕らの荷物を持って先導していく。その先が帳場のある母屋だ。夏のさなかにひんやりした風が母屋を抜けていく。
この先に緑の茂った森があり、木々に隠されたように5つの棟が点在しているはずだ。

草木の歩道を進んで「はなの音」に案内される。
昭和初期のテイストに満ちた、離れというよりは田舎の別荘のようだ。
すこし緊張の解けてきたぼくらの耳にセミや虫の声が届き始めた。
「こりゃー人気でるわな~、女性好みが満載ね」
と連れは言ったが、ぼくには女性好テイストをかき集めた感じはしない。むしろおばあちゃんの家のような居心地がある。
夏の盛り。ちょっと汗ばんで到着した僕らの心をすっかりとらえてしまったのがウェルカムデザートの杏仁豆腐!橋本シェフの手づくり。冷たいお茶も一味違う。ここ「霧島は茶どころなんだ」とレンタカーやさんのおばちゃんが教えてくれたのを思いだした。
鳥の声が聞こえている。「あれっ!あれっ!」と小声で騒ぐ。「しじゅうから?しじゅうから?」と訊かれても自分にもさっぱりわからない。

 

橋本シェフ

「フルーツトマトにずわい蟹のファルシー」は橋本シェフの代表作ともいえる。
艶やかな大振りのお皿に埋もれるどころか、存在感を放つその姿にしばし見とれる。ズワイガニの繊細さと甘いフルーツトマトに食欲をつっつかれてディナーの幕開け。
料理を運んできてくれる男性スタッフも感じのいい人で◎(そういえば、女性スタッフを見たことない)。
「玉ねぎのアイスクリーム」です、と言って持ってこられた口直し。
甘いものが乗っかってくると思っていた我が舌は一瞬混乱したらしい。心地いい裏切りだ。初めて体験する味。それは砂糖ではない、玉ねぎ自身の甘みだろうか。さっぱりとした中に程よい甘み
さらにキャビアとコンソメのゼリーまで。口直しにしては贅沢すぎる。

料理のさなか、ボキャブラリー欠落気味のぼくらは何度「うーっ」とか「あぁー」と言葉にならない声を何度発したたことか。
ぼくはここをオーベルジュだと思っている。
フレンチ出身の橋本シェフのモダン懐石は、和の食材でつくられるフレンチテイストの創作料理。
橋本シェフはグルメ番組ならば作るほうでなく食べるほうに出演しそうな恰幅だが、もともと湯布院で名を馳せた料理人。ふたり静は満室になってもお客はほぼ10人。一夜にわずか10人のゲストのみが橋本シェフの料理を独占できる。

 

宿題

キュエッ キュエッ キュエッ
目が覚めると鳥が鳴いていた。
朝っぱらから露天風呂→釜風呂→岩盤浴→水風呂という具合のお風呂をハシゴ。驚くことにこれが全部自分の離れにあるのだ。

窓から木漏れ日がベッドの上で揺れている。
朝食の後、ベッドに滑り込んで「あ~、帰りたくない」と、うめいた。

夕暮れ時がいとおしいしく思えた。
蚊取り線香の、ゆらゆらと細いけむり。
日が傾き、夜の虫の音、朝日を揺らす木々。

もし大人にも夏休みの宿題があるならば、鹿児島の旅のこと、宿で過ごした時間を作文にするんだろうな。

 

 

 

霧島温泉郷 ふたり静 宿泊レポ (1/2)
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