福島 高湯温泉 ひげの家
お部屋 しゃくなげ
すっかり山々は新緑となっていました。
ラッキーです。平日で比較的空いていたせいか、眺めのいい角部屋(しゃくなげ)!遠く眼下に福島市内が見えています。この仙人目線の優越感がたまらない。
まず貸切の露天風呂へ行ってみる。幸い空いている。札をひっくり返して階段を渓流のほうまで下っていくと、そこの木造の小屋が脱衣所だ。あぁ何年ぶりかのひげの家のお湯とのご対面。緑に囲まれてひげの家の湯の洗礼を受けるのでした。
つづいて心静に内湯へ。心なしか露天風呂よりよりお湯がさらに濃厚な気がする。この湯を前に、温泉好きはひとたまりもありません。
風呂上りにテラスに出てみると、「ここでビールが飲める。」という吉報がもたらされた。連れの顔がガッツポーズになってる。さっきまではぼんやりと眺めていたくせに俄然目前の山の新緑を賞賛し始めた。小鳥たちが渓流に沿って、飛びっぷりを披露していく。気分がいいな。
ウニとオクラの琥珀ゼリー寄せを一口食べて、さっそく上機嫌。
伝宝焼き。穴子、白魚、ズワイガニ、焼ネギを甘みのある味噌で卵とじてオーブンしたもので、魯山人の好きな一品だったらしい。それぞれの食材からエキスが染み出してきて、卵味噌のところに集合している。これがまぁ旨いのなんの。
福島牛のしゃぶしゃぶ。とろーり旨みのある豊かな旨みを口いっぱい頬張る。
誰もいない朝風呂。ざぶんと入って木の縁に寝そべる。繰り返す。凛とした空気が心地いい。寝そべった目線の先でコバルトの湯が揺れ、新緑が萌えていた。
朝食には温かい寄せ豆腐、そしてじゃこ飯がうまかったなぁ。
ひげの家にはなんどもお世話になっておるに、磐梯吾妻スカイラインを通るのは初めて。正直いって、こんなにナイスなドライブコースだとは知らなかった。
福島市内から磐梯吾妻スカイラインへ向かう道を登っていく。道々、新緑が歓迎しています。高湯温泉のひげの家が近づいてくると、車内にイオウの匂いが・・・。そこはもう、オナラ安全地帯です。
宿に到着すると、若旦那に女将さん、そして女将さんが声を掛けたらしく館内で作業していたご主人さんもお出迎えでなんだか恐縮で、でもとってもうれしい!
館内にはかわいらしい野草が飾られています。男子はあんまりそんなところには目が向かわないが、連れは野草があちこちに飾られているのを気に入ったらしい。震災以降お客さんがまったくいない日もあったが館内の草花を絶やすことはなかったという。ロビー以外はデザイン性は高くないがその分のんびり落ち着ける。
部屋の畳で我が物顔でゴロンとなった。窓から沢音のBGM。
貸切の露天風呂へ行ってみた。幸い空いている。札をひっくり返して階段を渓流のほうまで下っていく。そこの木造の小屋が脱衣所だ。あぁ何年ぶりかのひげの家のお湯とのご対面を果たす。なにより温泉が無事でよかった。内風呂もはしごして、風呂上りにロビーからテラスに出てみると、ここでビールが飲めるという吉報がもたらされた。飲むでしょ、やっぱり。連れの顔がガッツポーズになってる。先ほどまではぼんやりと眺めていたくせに俄然目前の山の新緑を賞賛し始めた。ボルテージがあがってきているのだ。
新緑の緑を背景に、小鳥たちが渓流に沿って、飛びっぷりをアピールしていく。気分がいいな。
10時過ぎの内湯のヘリに寝そべる。内湯は窓が開いていて、新鮮な空気が川音を運んでくる。脳が浄化されていくようで何も考えられない。男湯も女湯もほかにお客さんはなく、貸切状態。女湯に向かって「上がりたくなったら声かけて」と言うと「上がりたくない?」と返ってきた。お湯は露天よりも一層濃いような気がする。パウダーをまぶしたようなさらりとした肌になった。
朝早く目が覚めて風呂場へ向かった。昨日とは男女が入れ替わっている。内湯から続きにある露天風呂に出た。湯が朝日に照らされて青白い光を返す。足先を沈めていく。底にたどり着く。湯の花が底に沈殿していてフワフワと綿が敷いてあるようだ。一番風呂の特権。足でぐいぐいかき回すと濁りがモワモワと浮き上がり湯がグリーンがかってきた。源泉温度は48℃で、浴槽の注ぎ口の温度は42℃。理想的といえる。偶然なのか、それとも人間を喜ばすために自然起こした神秘か。誰もいない朝風呂。ざぶんと入って木の縁に寝そべる。繰り返す。ひんやりした空気が心地いい。寝そべった目線の先でコバルトの湯が揺れ、新緑が萌えている。美しい。地震の後、やっとここにこれた満足感を言葉にしてみようと思ったけど、あきらめた。ただこの寝そべったところから見える色彩を、心に大切にしまっておくだけにした。
この宿泊レポのこぼれ話