ここ数日、東北および北関東の旅館と連絡を取り合っていました。
まだ電話のつながらない宿ももあります。
ひとことで言うと、東北、北関東のお宿の状況はとても厳しいです。
地震の後にキャンセルの嵐。後、予約はピタリと止まってしまっている。嵐の後の静けさ。
いずれの宿も雑誌等でとりあげられることもあるような、けっこうな人気の宿です。それを思うと東北・北関東の宿の冷え込み具合はちょっとコワイ。
営業できる宿、営業すら出来ない宿など、被害のレベルはまちまちですが、「お客さんがぜんぜんいない」ということに関しては一様に当てはまります。特に福島の旅館はかなりの長期にわたって2次災害が確実に続きそうです。
私は今回の東日本大震災の後、できるだけ早く旅行に旅立とうと思ったのです。
しかし実際問題多くの方にとって、その気持ちはあっても、同行者のスケジュールを調整して旅行にでるというのはかなり困難なはずです。金銭的にもその余裕のある方のほうが珍しいでしょうし、もうすでに多額の義援金を送っている。旅館を支援したいのに時には交通費がそれ以上にかかってしまうという問題も・・・。
気持ちはあるのに、行動にうつせないもどかしさを私自身さんざん感じています。だからせめて、「かならず泊まりに行くからね」との意思表示を目に見える形にしたいのです。
自分は復興宿に命を燃やしたい。突貫工事でサイトを準備中です。『未来の宿泊に、今支払う』という仕組みです。このまま進んでいいか、軌道修正が必要かご意見・アドバイスください。
http://save-ryokan.net/
僕はいま楽観と危機感の両方を持っています。
日本がこの地で育んできた世界に誇れる旅館ryokanという文化。現在の状況はその文化の危機です。でも、みんなが自分に出来ること、自分の得意なことを持ち寄れば必ず光は見えるという楽観のほうをより多く持っています。この危機の向こう側にいままでよりももっともっと素晴らしい日本があると信じています。
宿で過ごしてきたすばらしい時間に感謝を込めて、みなさんに呼びかけます。「宿をささえよう」と。