胡蝶から「料理の写真を撮りませんか?」とのお話があった。
即座に頭に浮かんだのは、試食させてもらっている自分の姿。
「行きます、行きます!」
煩悩むき出し。
午前中に宿に入り、しばらく庭の写真とってから、まちや蕎麦匠で腹ごしらえ。
観光地の蕎麦屋さんは当たりハズレが大きいですが、ここは結構気に入っているお蕎麦屋さんです。
以前混んでるときに食べたときはちょっと蕎麦がゆるめのことも合ったのですが、
今回は空いていたせいもあってか、おいしく頂きました。
すぐ近くの鶴仙渓へ降りてみた。
もわもわと湧いてくるような新緑が川岸を埋めてます。
僕の大好きな季節。
面白いものが出来ていた。
川床です。
お客さん、のんびり抹茶とぜんざいをいただけたりして楽しそうです。
料理の撮影まで時間があるので、鶴仙渓のほとりの東屋で本よんだ。
読んでいたのは「三国志(北方謙三)」全13巻の最終巻。
ちょっと肌寒くなってきたので山中温泉の総湯 「菊の湯」でお風呂に入り、
つづいて、足湯に浸かってまた続きを読んだ。
熱いけどいい湯だ。硫酸塩泉というなかなか珍しい泉質で、かすかな硫黄臭もあり。
長い間浸かっていると古い角質が浮き上がってくるのを感じた。
ここでついに三国志を読み終えた。
たまたま1年くらいまえに本屋で漫画版の三国志を立ち読み。
話がどう展開していくのか知りたくなって、
真剣に読む気構えも無いまま、とりあえず小説版を1巻だけ取り寄せて読んでみようと思ったのでした。
短かく、力強いいセンテンスがうみだす、臨場感がしばしばぼくを三国時代の原野へと連れていった。
気づいたら中毒になっていて、13巻全部取り寄せてしまっていました(ほとんどが古本ですが)。
本の中でいろいろな人生と出会い、別れた。
読んでるときは、そのなかで生活していた
読み終わってしまうのが惜しかった。
ちょっぴり卒業式の後のような大きな別れをした気分。