後生掛自然研究路
いまは後生掛温泉の湯治村のオンドル小屋に泊まった翌朝(10月初旬)。
昨晩は買った夕飯がオーバースペック過ぎたことを猛省しながら寝入ったが、その反省の情に応えてか爽やかな朝が訪れた。
後生掛自然研究路
オンドル小屋というのは、一言で言うと地熱を利用した療養のための湯治小屋。
地熱の温かいところに建物が建てられてあり、床が温かい。その熱で体を温めるのだ。
朝晩はだいぶ冷える季節になっていたが、部屋には暖房など無しで余裕で温かい。
畳に布団を敷いて寝たが、夜中、背中が厚くて何度も目が覚めた。
夏場はどうなってしまうんだろう・・・。
後生掛温泉はぼくの温泉の源流なのだ。
今よりちょっとかわいらしかった幼少の時分、温泉好きのオヤジに連れてこられた。
当時のオンドル小屋が今と同じなのかもはや記憶が定かではない。
ただ、当時の自分には、オンドルの大部屋は暗くて陰気で、周りは知らん人ばかり。
裸電球の下でおっさんたちが将棋をしてる、そんなイメージが焼きついていた。
風呂行けば湯は熱いし蒸気で視界が悪く、「おとーさんとはぐれたらどーしよう」と心細いばかり。
当時は2度と行きたくない場所だった。
いま改めて風呂を見てみると、はぐれるような広さでもなくて可笑しくなる。
そして、2度と来たくなかった温泉のはずが、今となってはそれを求めて遠く旅をするまでになっていた。
この旅は、わりかし毎日早起きだった。
早起きは三文の得どころの話じゃないって思った。
自然研究路は1周40分くらい(とHPにあった)。
歩く人もなく、なのに木々たちは誰に見せるでもなく、美しい彩で佇んでいる。
いたるところにミニチュアの火山があって、
「シュワーっ!」とか「ボコッ、ボコッ」とか言っている。
大湯沼