伊豆半島の下田から松崎方面へドライブしながら
「どこか立ち寄りで入れる温泉ないかな、静かで、泉質のいいとこ。」
と、たどり着いたのがここ大沢温泉 山の家。
県道をそれて渓流沿いの狭い道を車を数分、
「ここだな。」
木造の橋の先にそれらしい小屋が見えてきた。
「どうぞ、いまお一人入ってますよぉ。」
と、やさしそうなおばちゃんが迎えてくれて、それだけでお「ほっ」と疲れがとれる。
男女ともに露天風呂が一ヶ所づつ。
お湯がすごい。
床下からゴボゴボと音を立ててすごい量の湯が湧き上がってきている。
深い。そして湯は熱い。
で肌触りが、すばらしい!
どうすばらしいのかと言うと、たとえばアルカリの湯だと表皮を溶かして、「ぬるっ」とした肌ざわりが特徴的でわかりやすいが、そういうタイプではない。なんというかトロッとひたすら肌に馴染む。これに入ると自宅の水道水のお湯と言うのはわりかし刺激があるんだなとおもえるほどだ。
「天然の化粧水」なんてフレーズはどこの温泉でも使いたがるが、ここでこそそのフレーズを使っていい気がする。
写真を撮らせて欲しいとお願いし、休憩室で入浴客が途切れるのを待つ。
待ってる間、おばちゃんとしばらくおしゃべり。
「この泉質、伊豆一やと思うわ。」
「むかーしから、温泉と言うとこれだからワタシ分からないのよ~。でも遠くからわざわざこの温泉のために来てくれる人がいるのよ。」
心地よい風が小屋を吹き抜けていく。
混むわけではないが、風呂が無人になることも無い。
お客さんが来ると、
「どうぞ、いまお一人入ってますよぉ。」
これ、おばちゃんのクセのようだ。
来るお客さん来るお客さんに今何人入ってるか伝えたいお年頃のようだ。
結局写真は撮れなかったが、ここはかならず再訪することになるだろう。