黒川温泉が一世を風靡してしばらくすると「いまはその周辺の温泉宿がおもしろい」と地元の宿好きが教えてくれた。福元屋もその一つで、実際黒川温泉の活躍にも触発されたそうだ。
到着の時に、客は拍子木を打ってその到着を宿に知らせるらしいが、
そうとは知らずに「こんにちは?」と入っていった。
これこれ。
この雰囲気。
踏みしめる床板。あ?いいですね、この感じ。
これはまさに
旅籠の雰囲気
ですね。
到着の時には柚子の皮のコンポート。うれしいですねこういう気遣い。
柚子のほろ苦さと甘露煮の濃い目の甘さが旅の疲れをホッとほどかせる。
かわいらしい小さなお部屋。
窓からはこんな景色。冬だったので少し寂しげな山。
スタッフは割烹着姿で、心和みます。
ここには手づくり感がある。
福元屋がリニューアルされた当初の話を聞かせてもらった。
解体された古民家の材料を譲り受けると、やがて古民家の造りが得意な大工さんと知り合い、
お客さんがチェックアウトするとすぐに、その大工さんといっしょに工事にとりかかる。
一部屋できあがれば、また次の部屋。ろくに設計図も作らず現場で決めていく。
全部の部屋が生まれ変わるには何ヶ月もかかったようだ。
福元屋はその手作りの感じが宿全体を包んでいるのです。